今日もアメリカの原風景であるモニュメント・バレーのお話の続きだ。



朝だ。

折角なので,日の出を見ようと思って,ちゃんと目覚ましかけておいたんだなっ♪


では・・・


さむっ!


      

             夜のうちにうっすらと積もったようだ。


う~ん,このまま出たら持参したスリッパが濡れそうだ。

しかも,しもやけになりそう。

と,大人しく靴に履き替えようと手に取った瞬間だった。


急に部屋の中へと光が差し込んできた。

  

             日の出だっ!


片一方だけつっかけたままの靴のままカメラを首から下げ,慌ててベランダへと駆け寄る。

駄目だ,靴履いてる場合じゃないっ!!

靴を履くことを諦め靴下のまま框の上に立つ。


  

           メサ*から太陽が昇って来る!



何もも考えないまま,ピントもまともに合っていないのにシャッターボタンを押した。

カメラが手元にあるからボタンを押した。

ただそれだけだった。


想像していたよりも荘厳で美し過ぎて言葉も出なかった。

両手でカメラを持ったまま息をするのも忘れたように,それを見つめていた。


メサ*(mesa)=スペイン語でテーブルと言う意味。この場合は,浸食によって形成されたテーブル状台地の事を指す。

メサの浸食がより進むとビュート(butte)と呼ばれる,周囲から孤立した切り立った小さな丘状の物となる。



  

  

               

そして太陽が完全に岩の上に昇った頃,両サイドの部屋から感嘆の声が聞こえてくる事に気が付いた。

多分,みんな日の出を見ていたんだろう。

暫くすると,また静かになってきた。


いやぁ~すごいものを見れたなぁ。


しかし・・・へっくしょん!

 ((((*+ω+*)))) 寒ぅぅぅぅ…

フリース着てるんだけど,やっぱり外は寒いな。

それに靴下がちょっぴり濡れている。




服を着替えロビーへ向かう。

早朝なので,まだまだ人は疎らだ。

多分,日の出を見た後に,もうひと眠りって言う人もいるんだろう。


      

      テーブルもナバホの伝統柄の模様が組み込まれてる。


  

           メリック・ビュートが見える。


こうやって見ると,メリック・ビュートがすぐそこにあるように見えるんだけどなぁ~。

そう見えるだけで,歩いていくのは危険な距離だと思う。



簡単な朝食をとり,ホテルの中をうろうろと散策する。

  

    みんな考えることは一緒で,カメラやスマホ片手に談笑をしている。


  

             結構,積もってるなぁ。


今日は,居留地内をガイドさんに案内してもらう予定だ。

・・・やっぱりホッカイロ持ってきて正解だったな,と思わず独り言が漏れる。

 


ガイドさんとの約束時間まで,まだ少しあるので外に出てみた。

  

      泊ってるホテルの入口の壁?(正確には壁ではないけど)





前回書いたけど,この居留地=ナバホ・ネイションでは,アルコール類の販売・飲酒が法律違反で,見つかれば逮捕されるそうだ。



問題なのは,その法律を全く知らないと言う点だ。

例えばドライブするとして,アメリカでは長期滞在者は免許取得が義務付けられるし,短期なら国際免許が使える為,個人的に交通ルールを学ぶ事ができる。

多分,アメリカの交通標識が立っている道は,アメリカンルールで大丈夫なんだと思う。

でも,ドライブ中の何気ない行動がナバホの法律違反って可能性はある訳で。

だから,この居留地内では,より一層慎重な行動が求められると思うんだ。

間違っても「旅の恥は搔き捨て」とか思わないようにして欲しいんだな。

 


という訳で,見知らぬ土地を不安なまま運転するというストレスから解放されたいので,ツアーを予約したんだ。

 

ガイドさんとロビーで待ち合わせる時間が近づくにつれ,どきどきしてきた。

ナバホの人だそうだけど,どの人だろう?

きょろきょろとしていると,アメリカ人っぽいお兄さんに声をかけられた。

!?

・・・ナバホの人って聞いてたけど,あれ,勘違いしてた?

誘拐とかじゃないと思うけど,ちょっぴり不安になってきた (;´・ω・)


と,向うから,いかにもアメリカ人な家族をつれたナバホ族っぽい雰囲気の女性が来て合流し,ツアーの説明が始まった。

今回は2グループが一緒に回るそうで,2台に分乗して案内してくれるそうだ。

なんとなく不安が残るままに,うんうんと首を振り車に乗り込む。

 

  


        3つのビュートを雪に覆われた大地に立って臨む。


ホテルのベランダから見たのとは,また違った印象を受けるな。   

さっきまでは見下ろしていたからだろうか?


   

      冬の日差しを浴びて,ビュートはくっきりとその姿を現す。


どこまでも広がるような赤い砂岩の大地は霜が降りているのか,サクサクと小気味いい音を立てる。

多少の植物は生えてるようだけど,本当に砂と岩って感じだな。



今回,泊ったホテルの外観はこんな雰囲気。  

   

   ワイドビューな造りで,どの部屋からもビュートが見えるようになってる。


赤茶けた丘の上にあるシンプルな造りの建物だ。

でも,レストランもお土産屋さんもあるし,ツアーガイドさんはロビーまで迎えに来てくれる。

なんでも,このツアーでは一般車が入れない区域にも案内して貰えるみたいなんだな。

すぐ横にはビジターセンターもあるので,ナバホの歴史とかも学べるようだ。

ただ,食事の選択肢が無いのが残念かなあ。

ナバホの料理はちょっと薄味だって点とアルコール抜きなのがクリアできれば,とてもいいホテルだと思う。

個人的には,都会の喧騒を忘れて,まったりとお籠りするにはうってつけだと思うんだなっ♪



因みに,今回のガイドさん,当然だけどナバホ族の人だった。

と言うのも,運転中に色々とプライベートなお話もしてくれたんだ。

母親が外国の方だそうで,見た目は西洋人っぽいけどナバホ族として育ってきたそうだ。

そして,一緒にツアーを回ってる女性ガイドさんと婚約中なんだって。

なんでも,ナバホの若者で英語が堪能な人は,生計を立てる為に観光業に就くことが多いらしい。

試しに「アメリカで働こうと思わないのか」と聞いたら「外の世界は気になるけど,彼女と一緒にナバホの伝統を守っていきたい」ような事を言っていた。

のろけですか・・・

アメリカまで来てのろけを聞かされるとは思わなかったぞ (;´ω`)

(もう4年前のことだから,今頃は結婚してるんだと思う)



という訳で,モニュメント・バレー滞在記は続くっ♪