さて,今日は前回の続き,常照寺のお話だな。


この寂光山常照寺は,有名な古刹大徳寺よりもさらに北西に位置する。

都会の喧騒からは切り離された雰囲気が漂うこの場所は,元々は本阿弥光悦が徳川家康から拝領した土地なんだって。

光悦はこの地に一族で移り住み,それもあって多くの芸術家たちが集まり,芸術家たちの集落ができたと言われている。

今もその名残でだろうか,鷹峯光悦町と呼ばれる区域があるみたいだな。


  


では,本日もよろしくお願いするぞっ♪





  

      扁額には日潮上人による旃檀林(せんだんりん)の文字。      



元々この場所は,日蓮宗中興の祖として知られる日乾上人を招いて開かれた鷹峯檀林(修行道場)だったそうだ。

30以上もの建物が達ち並び,多くの学僧達が修行をしていたんだって。


ところで,「せんだんりん」って,どこかで聞いたことがある様な気がするなぁ?

と思ったら,駒大の校歌か・・・。




等伯,宗達,光琳などの町衆文化の担い手の多くが日蓮宗(法華経)の熱心な信者だったのは有名な話だ。

さっき「芸術家性質の集落ができた」と書いたけど,実際は法華経の集落だったのかもしれないな。

なんでも檀林は明治初期まで開かれていたようだし,当時はもっと信徒も多かったと思うんだ。



  

       こちらは,鎮守社の常富大菩薩を祀る廟。


当時の檀林では,摩訶不思議な事が度々起こっていたそうなんだ。

で,智涌という僧がどうも怪しい・・・と学頭が彼の部屋を覗いた。

すると・・・なんと,一匹の白狐が熱心に本を読んでいた!!

姿を見られた白狐は起請文(神仏に誓う誓約書)と退学届けを残し姿を消しちゃったんだって。

なんでも書類には,狐の爪の印が残されていたとか・・・。



  

      その白狐の残した霊宝が収められているかもしれない宝蔵


後に白狐は能勢妙見山に登り修行を重ね,常富大菩薩になったと伝えられている。




  

        柘榴の彫られた台座が印象的な鬼子母尊神堂


中の様子はうかがい知れなかったけど,眷属の十羅刹女と三体の鬼子母尊神が祀られているそうだ。

鬼形鬼子母尊神像と母形鬼子母尊神像,そして,その二つの面を表す双身鬼子母尊神像が安置されているんだって。




  

       置いてあったのは,柘榴じゃなくて花梨だったけど。




  

              妙法龍神


特に案内看板などは無かった気がするので,よく分からないんだな。

「妙法」と呼ばれてるから「第一の」とか「非常に優れた」とか,そんな感じなのかなぁ?

法華経の知り合いが居ないので,いまひとつ消化不良になってしまった。



あ・・・。

さっき,お寺の方が「池もあるからどうぞ~」って言ってたけど,ここが入口なのかな?   


  

         比較的新しい門構えだけど,屋根はいい感じだった。


どうやら,数年前に白馬池と伝えられてきた沼地を整備したみたいだな。




・・・け,結構急な階段だな。

手すりはあるけど,段差もあるし気を付けて降りないと,膝がガクンとなりそうだ。


  

           僅かに池らしきものがみえる。      


しかし,油断すると,つるっ!といってしまいそうだ。



  

             馬に乗った白馬観音


聞きなれない名前の観音様だなぁ…。

馬に乗った観音様にはどこかで会ったことがあるけど,手が沢山生えてたし顔も二つあった気がする・・・。


で,上まで戻って由来の書かれた看板を最後まで読んでみた。

ふんふん・・・。

さっき,白馬池の伝説があったと書いただろ?

その伝説に出てくる「池の上を馬に乗って行き来していたと伝えられる仙人」を祀ったものだったんだな。




  

      吉野太夫を偲んで建てられたと言う茶席遺芳庵


周囲を木々に囲まれた茶席は女性らしい柔らかな雰囲気を醸し出している。

この常照寺は,四季折々の花々が楽しめるお寺としても知られているそうだ。

境内には厳ついイメージの木は生えておらず,いかにも吉野太夫所縁の寺という感じがしたぞっ♪

(遺芳庵って,同じような名前の庵が高台寺になかったっけ・・・?記憶があやふやだ。)


  

               吉野窓


壁一面に広がる大きくくり抜いた窓は吉野窓(大丸窓)と呼ばれる。

吉野太夫は,こういった丸い形状の窓を大層気に入っていたそうだ。

その為か,茶道の道具にも吉野棚と呼ばれるものがあるんだな。

この棚にも丸い窓が付いているから,太夫の丸窓好きはとても有名だったんだろうな。



しかし・・・だ。


  

              完全な丸じゃない!?


そう,実は下の部分が平らになっている。


仏教では真円は悟りを表すんだって。

だけど太夫は,自らはまだ悟りを開いていないと言って,下を切り取った形状になったそうだ。


因みにこの茶席では,毎月のように吉野太夫を偲んで茶席が開かれるそうだ。



  

            ぷらぷらっと境内を散策する。



  

        広大な境内を特に目的もなく歩き,飾り瓦を見つけた。



なんだか宝探しみたいで楽しいなっ♪




  

        はぁ・・・今度は,桜の季節に来てみたいものだなぁ・・・。





では,今日のおやつだ。


  

             普門庵さんの鈴カステラ



  

            ころんとした形が可愛いな。



では,いっただきま~す♪

  

               縁起のいい鈴の形をしている。



うん?なんだこれっ!

見た目と違って,すっごく重量があるぞ・・・。


恐る恐る口へと運ぶ。


・・・・すっごい「もっきゅもっきゅ感」だ。

ベビーカステラのように見えたけど,ベビーカステラとは全く違う食感。

和三盆の甘さと濃厚なバターの風味が「かえる」好みだ。


しかし,この不思議な弾力は一体なんなんだ?


と,成分表示を見てみると・・・・・


え,こんにゃく粉!?

予想もしなかったこんにゃくの存在に驚く「かえる」。

どうりで,ずっしりとしてた訳だ。

なんにせよ,ベビーカステラの代わりになりそうな美味しいお菓子を見つけたなっ♪

お店は清水寺門前にあるそうだけど,今回は新幹線コンコースの売店で購入したんだな。



という訳で,吉野太夫所縁の常照寺普門庵さんの不思議な食感の鈴カステラに興味のある人は,是非ともお試ししてくれよなっ♪