て,鞍馬のお話だな。


前回,毘沙門天のお話をしたと思うけど,その流れで虫の話をするんだけど,みんなは平気かな?


カブトムシとかじゃなくて,虫と書いたけど正確には節〇動物。


 


途中で出てくるから,そのちょっと前に*虫注意*って置いておくので,苦手な人はスクロール推奨。


 


        


                       この紐はなんだ?


 


そうそう,この本殿金堂前には狛犬ならぬ狛虎がいるんだな。


   


                          狛犬でなく狛虎


 


鞍馬蓋寺縁起にはこんなお話が書かれているそうだ。


 


みんなも奈良の唐招提寺の鑑真和上は知ってるだろ?


あの鑑真さんと一緒に中国からやって来た僧侶の中に鑑禎(がんちょう)さんという人が居たそうだ。


この鑑禎さんが,ある時夢でお告げを受けたんだって。


そこでやって来たのがこの鞍馬山。


その夜、鬼に襲われ命からがら身を隠していた鑑禎さんを救ったのは,なんと毘沙門天だったんだ!


突然,大きな木が倒れて鬼を下敷きにしたんだけど,その大木のあった場所には毘沙門天の姿があったそうだ。


命を救われた鑑禎さんは,その地に毘沙門天を祀ることにしたんだって。


 


   


                巻いた尻尾が虎っぽくなくて、かわいいな。


 


で,これが寅の月寅の日寅の刻であったと。


その為,毘沙門天の神使(しんし=神の使いや眷属の事)を虎として,狛虎が置かれるようになったんだって。


 


 


 


では,この先・・・


***虫注意*** だ


 


 


   


 


  


***ここから先はあの虫(虫じゃないけど)のお話だ***


 


    


 


 


 


 


 


でもな毘沙門天の神使って,本当はムカデなんだな。


だから毘沙門天を祀っているお寺などでは,ムカデが出てもむやみに殺しちゃいけない,って言われているそうだ。


 


ただ,何故,神使がムカデなのかがよく分からないんだ。


 


鉱脈のある地域では,ムカデの姿が鉱道に似てるからムカデを縁起物としていることもある。


赤城山の神様なんかは,大百足に変身して戦ったって言われてるな。


 


また,ムカデは前進あるのみで,決して後ろへ引く(後退できない)ことが無い。


攻撃性も高く,見た目も甲冑を着こんでいるように見えるからか,戦国武将にも好まれた。


一番有名なのは,武田信玄の百足衆かな?


伝令とかする部隊なんだけど,大河ドラマでムカデの旗を見たことがある人もいるだろ?


ただ,武田信玄が信仰していたのはお不動さんだけどな。


毘沙門天を信仰したのは上杉謙信という,因縁と言うかなんと言うか・・・。


 


そして毘沙門天を祀る信貴山では,足が多いことを「おあし=お金」に結びつけている。


毘沙門天って言うのは元々はインドの財宝の神様だったからだろうな。


日本で毘沙門天と呼ばれるようになっても,そういう御利益は残ってるぞっ♪


 


そう言えば,愛知県にある毘沙門天が祀られているお寺に,なかなか面白い民話が伝えられている。


お話はこうだ。


ある日,男が落ち葉の中に毘沙門天さんのお御籤を見つけた。


和尚さんにお御籤が大吉だと教えられた男は,それを何故か「ちょんまげ」に結び付けたんだ。


そして寺の周囲の葦原で葦を刈り始めた。


 


ところがこの葦原には,人食いの大きな蛇(うわばみ)がいたんだ。


 


葦刈り中の男は,背後から襲い掛かる大蛇に気付かない!


 


とその瞬間,蛇は何かに頭を叩かれたようにへばってしまい,そのまま巣へと逃げて行ったんだとさ。


 


実は,ここのお御籤には毘沙門天の神使であるムカデが描かれているそうなんだ。


だから,毘沙門天の鉄槌が下ったんだろう・・・というお話だ。


 


赤城山と二荒山の伝説とか,俵藤太の百足退治とかあるように,蛇とムカデは相性が悪いのは確かだろうけどな。


なんにせよ,ムカデも信仰の対象になっているって事なんだな。


何故か顔に向かって飛んでくるGの方が苦手だけど。


ただ,ムカデは噛まれたら痛いし,いきなり上から落ちてくるのが怖い (;´・ω・)


 


 


 


 


 


 


   


                    ごはんを食べていたら,灘ベアーに出番を取られた・・・


 


 


 


 


 


*** ここまで ***  


 


  


   


                こちらは紹介忘れの山門前阿の狛虎


 


仏教に取り込まれ,仏様を守護することになって闘いの神さまという意味合いが強くなった毘沙門天だけど,多聞天と同じ神様なんだな。


そう,単独で祀られる時は毘沙門天で,四天王の時は多聞天と呼び名が変わるので、注意が必要だ。 


 


 


   



                     同じく山門吽の狛虎


あ・・・

   

                    金剛床に立ってる人がいた!


後ろの人達は順番待ちのようだ。

やっぱり,こんな広い場所に「注目してください!」と言わんばかりの模様があったら,誰だって気になるよなぁ~。




      

                 翔雲台


丹塗の欄干?に囲われたこの大きな板状の石は,経塚の蓋だったものなんだって。

元々は本殿の後方から出土したもので,平安時代の経巻が収められていたそうだ。


なんでもこの鞍馬山周辺には沢山の経塚が点在しているそうで,今でも経塚巡りという回峰があるとか・・・。

回峰って言うのは比叡山の修験行の一つ,荒行って言った方が分かり易いかな。

荒行のイメージは分かるけど,一体何をするんだ?って思うだろ。

簡単に言うと,とある寺を起点に山を歩くんだ、

徐々にその距離を延ばしていって,7年間でこの荒行を1000回こなすんだ。

しかも,ただ歩くだけじゃないんだぞ。

途中に断食や不臥とか不眠もあって,想像するだけで頬がげっそりしそうになる#59124;



さて,本当なら奥へ進みたいんだけど,残念ながらこの時は通行止めが解除されていなかった。


こんな感じで ↓ 先に進めないんだ。

   

                  なので諦めて下山することにした。



あれ,さっき来るときは気が付かなかったけど・・・

   

                上の方に鐘楼っぽい建物が見える。


   

            寛文十年(1670年)の銘文を持つ鐘だそうだ。


扶桑鐘銘集に載ってると書いてあったけど,扶桑鐘銘集ってなんだったっけ?

平等院の時に紹介したっけ・・・と思ったけど,扶桑違いだと思うんだよなぁ。

どこかで聞いたような名前の本だから,多分,他のお寺とかの鐘の紹介で見かけたんだろうけど,記憶に靄がかかってる。

それはさておき,こんな山の中だけど除夜の鐘を撞く人たちが列を作るそうだから,さぞ素晴らしい音が聞こえるんだろうな。

という訳で,「かえる」も鐘を撞いてきた。(1枚目)



紹介し忘れてたけど,本殿に至るまでには階段があるんだな。   

   

               多宝塔から本殿までは155段を登る。


まぁ,そんなにきつい傾斜ではないから問題は無いと思う。

でも,疲れちゃうよ~って人は,階段の石でも見ながら歩くといいかもしれない。

この石段は主として錆びたような色合いを見せる鞍馬石(上 ↑ )と暗青色っぽい石英閃緑岩(下 ↓ )でできているらしい。


         

                   階段脇の石垣。



往きと同じ道なんだけど,日が傾いているせいか雰囲気が違って見える。


         


今度来る時は,木の根道も開通してるといいなぁ~。

それまでに足首を捻らないといいけど・・・。


という訳で,最後の方はちょっと駆け足になってしまったけれど,鞍馬山散策はこれで終了だ。

叶う事なら「第2回鞍馬山散策」といきたいけれど,台風次第なので何とも言えないな。

まぁ,山は逃げないから大丈夫だろう。



今日は遅かったのでおやつ話は無いんだなぁ・・・。