今日は福田美術館の美人のすべてリターンズの続きだな。
早速紹介するのは,上村松園「雪女」

大正時代に「大近松全集」という近松門左衛門について書かれた本が出版された。
その本の付録として彼の浄瑠璃を題材にした版画が付けられたそうだ。
で,そのうちの一つが上村松園の描いた「雪女」だったと。

このお軸はその原画なんだって。
この原画,京都の民家から発見されたという。
そんなすごいものが眠ってるお家ってどんな家なんだろうなぁ・・・。
      
       将軍暗殺を企てた赤松親子に殺された女性が雪女となって現れる。

近松門左衛門の浄瑠璃に「雪女五枚羽子板」というものがある。
これは赤松満祐が起こした嘉吉の乱を題材にしたものだ。
          
「くじ引き将軍」
赤松の主君であった足利義教はこう呼ばれていた。
何故なら,義教はくじで選ばれた将軍だったからだ。

ただ,当時のくじと言うのはご神託の事を指すんだな。
このくじも石清水八幡宮で執り行われたと伝えられている。
そして,例えそれが出来レースであったとしても,ご神託である以上軽んじるべきではないモノだったんだろう。
                  

そんな将軍義教だけど,時に彼自身もくじで裁可を下したそうだ。
しかも,かなり苛烈な性格の人物だったと言われている。

どれくらい苛烈だったのかって言うと,酌が下手な侍女を殴り御所から追放の上,尼にさせた。
他には,自分の行く手を邪魔した鶏(民が飼っていた)を洛外へと追放。
これだけ聞くとトンデモナイ人物のように思える。
でも,侍女は形見の着物にお酒をこぼしたのを謝らなかった為,彼を激昂させた,とも言われている。
(だからと言って暴力はいけないが)
鶏は闘鶏が喧嘩の元になったので,厳しく取り締まった結果らしい。

この瞬間湯沸かし器な将軍が,赤松親子に暗殺されたことで幕府の権威は失墜。
それが応仁の乱の間接的な原因になったとも言われている。
まぁ,将軍職に就いた時点で,幕府の屋台骨がぐらぐらだったようだけど。
座主時代は有能な人物だったと言われる義教だけに,かなり無理な改革を行おうとしたんじゃないかな?
結果,周囲との軋轢が生まれ,そこへ後世の脚色が付け加えられたとも考えられなくもないな。

因みにこの鶏追放令だけど,息子の義勝は逆に鶏が大好きで,鶏を差し出さなかった部下を処分しようとしたそうだぞ・・・(;´Д`)



さぁ,本日も道草が酷いので軌道修正しよう。                    
      
       心が落ち着く風景画もいいけど,美人画は別の良さがあるな。


こちらは「戴斗(たいと)」の作品。
みんなも知ってる江戸時代の超が付く有名作家が一時期名乗った別名なんだけど,誰だと思う?
                                     
                        「砧美人図」  

正解は,葛飾北斎だ。

女性の背後に立てかけられた道具が砧。
砧で布を潰す作業を終えた女性の姿を描いているようだ。
働く女性の姿なのに,着物から透けて見える二の腕が妙に色っぽいと思うのは「かえる」だけだろうか?
 

話が飛ぶけど,「北斎づくし」展を某ネット美術館で視聴したんだ。
あれは行けるなら見に行くべき展覧会だと思った。
     ↓    ↓    ↓
 生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」
 2021年7月22日(木・祝)~9月17日(金)
 東京ミッドタウン・ホール
 
      
                  「美人と猫図」 歌川広重

着ている着物は江戸時代のようなお引き摺りだけど,源氏物語の女三宮のお話の見立てだそうだ。
女三宮と言えば「猫」だからな。
(源氏物語って・・・って人は「女三宮 猫」で検索すればすぐに分かる)


終わらないからスピードアップ!      

      
          3つ目のギャラリーはパノラマギャラリーと呼ばれている。


                   
               今回は竹久夢二のコレクション展示だった。
   
          他の2つのギャラリーよりはこぢんまりしてる。
   
            襟足からうなじのラインが美しい「舞姫」     
   
       「春」『婦人グラフ』表紙版画は,額装が興味深い。

   
何故パノラマギャラリーなのかって言うと・・・
   
            ここからは桂川の様子が見えるからなんだな。
   
            3のギャラリーを全て回ったので下へ降りてきた。
   
         中庭の水盤と桂川が繋がっているように見える借景効果がすごい。
   
              繰り返されるリズミカルな市松模様。
   
              奥の方に見えるのは紫陽花かなぁ?
   

では,おやつ?
いつものようにカフェでブランチを。
   
            パンとエスプレッソと福田美術館パニーニセット 1200円

窓際のカウンター席に座り,嵐山の景色を眺めながらいただく。
しっかりした歯ごたえのパニーニには,たっぷりのパストラミとチーズ。
食感の違う紫キャベツの彩りの良さも食欲をそそるなっ♪
   
              パストラミと紫キャベツのパニーニ

涼し気なガラスの器には波紋のような模様が浮かび上がり,外に見える水辺へとリンクしているようだ。

   
          嵐山の商店街には笹飾りが取り付けられていた。
   
            笹の葉が風に吹かれる度にさらさらと音を立てる。
           

次回は若冲の作品が見られるそうだけど,夏休みは混むだろうし後期だけかなぁ・・・。
と言う訳で,福田美術館さんの展示に興味のあるみんなはどうぞなんだなっ♪

     
次回の福田美術館さんの展覧会
    ↓   ↓   ↓
 京(みやこ)のファンタジスタ ~若冲と同時代の画家たち~
 2021年7月17日(土)~ 2021年10月10日(日)
 前期後期で半数の入れ替えがあるらしい

 
【次回予告という独り言】
踏切にて。
いつも上手く撮れない・・・(´-ω-`)
   
      走ってる列車が撮れないなら,停まってるのをとればいいじゃない(迷言)

と言う訳で,次回はトロッコ列車に乗って来たお話を予定してるぞっ♪


列車からの眺めの動画(5秒くらい)を載せようと,あれやこれやお試し中。
今ってYoutube経由じゃないと載せれないのかなぁ。
無理に圧縮したせいで画像がガタガタになってるし,う~ん・・・(;-`ω-)
あれ,ひょっとして,一からやり直し?