先日テレビを見ていたら,小野篁(おののたかむら)の話をしていたんだな。

そう,見た人もいるかもしれないけど,歴史秘話ヒストリアの「京都で旅する地獄と極楽」の回だ。


 

   

                 琥珀色のこれは一体?


折角なので,今日は小野篁にまつわるお話でもしようかな?と思うんだ。


番組内で「小野篁は地獄でアルバイトをしていた」と言われてたけど,実際のところはどうだったんだろう?





という訳でやって来たのは,小野篁ゆかりの地。


   

             「六道の道」と彫られた石碑がある。



   
さて,六道についてだけど・・・

六道と言うのは仏教の教えの6つの世界,地獄,餓鬼,畜生,修羅,人道,天道のことを指すんだ。

人が生きてる間に行ったことを元に,死後,この6つのいずれかの世界に行くんだって。

そしてこの世とあの世の境目が,京都の六道珍皇寺にあると言われてきたそうだ。


で,小野篁卿旧跡って書かれてるけど,何があるんだろうか?




いざ,六道への一歩を踏み出す。
   

               山門を潜り抜ける。



ところで,このお寺は「ろくどうちんのうじ」と読むそうだけど上手く変換してくれないので,ここから先は六道さんと呼ぶことにする。



境内には人はまばら。

盂蘭盆の時は物凄い列ができるようだけどな。

お花見シーズン真っ盛りの平日で,鐘楼が改修中な為か,とても静かだ。

その静けさが不思議な雰囲気を醸し出している,と言ってもいいかもしれない。



   

              本堂の障子は固く閉じられていた。


脇にある閻魔堂には,閻魔様と小野篁の木像(?)が祀られていた。

(隙間から覗けたけど,なんとなく写真を撮るのは控えたぞ。)


う~ん,お寺に来て肝心の鐘が見れないのは残念だ・・・。

どうしよう?




あ・・・

井戸を覗けるって!?


   

            小野篁卿『冥土通いの井戸』!?




鐘が見れなかったのは残念だったけど,折角なので,井戸は見て行こうかな?




   

              長いので,詳しい説明は省略。



小野篁が母親に会うためにこの井戸から冥土を使った,と書かれてるけど,この篁さん他にも言い伝えがあるんだ。



百人一首にも登場する篁さんだけど,ちょっとばかり癖のある人だったことは確かなようだ。

学者で歌人で武芸にも秀でていた,180センチを超える大男。

遣唐使に任じられたのに上司ともめて,唐に渡るのを拒否#59121;

あげく天皇の怒りをかって島流し#59122;

その為か,野狂や野宰相と呼ばれる反骨心のある人物だったようだ。



では,井戸へレッツゴ~♪

と思ったけど,中庭に入るなら靴はどうするんだろう?

つっかけでも置いてあるのかな?


手に持った靴をぷらぷらさせながら悩むこと暫し。




あれ・・・よく見たら「格子窓よりご覧下さい」って書いてある。

 

・・・(/ω\) コレハ ハズカシイ。。。


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気を取り直して,いざっ!


   

           おおっ,あれがメイド冥土通いの井戸か?


小野篁は,あの井戸から毎晩,閻魔様の元へ通ったと言われてるんだって。



話は変わるけど,本堂の雨戸に有頂天家族のポスターが貼ってあったな。

(概要しか知らないんだけど)

・・・ひょっとして,これって噂の「聖地」っていうのかも!?


後で調べたら,この井戸を覗くシーンがあるようだった。

だけど,特別拝観時でもないと入れないみたいだな。

つまり,その時を狙っていかないと井戸の近くには寄れないっぽい・・・#59143;



   

  

今昔物語には興味深い話が載っている。

が若い頃に犯した過ちから救ってくれた人が,ある日重い病にかかり亡くなってしまった。

この人物が閻魔様の前へ連れていかれると,なんとびっくり,が閻魔様の脇に控えていたんだ。

そして,の計らいによって,罪が許され生き返った(!?)んだって。


普通の人が閻魔様の家臣ってだけでも凄いのに,閻魔様を説得して蘇らせちゃったとか#59142;

もう訳が分からないよ・・・って感じだ。


どうしてこうなった?って感じだけど,よほど恐れられていたか,野狂(変人)ぶりが酷かったのが原因かもしれないな。 



御朱印を頂くために,声をかけると本堂の中へ入れて貰えたぞっ♪
お寺の方と少しお話をして,ご本尊も見せて頂けた。

鐘が見れなかったのだけが残念だったけど,また,時間がある時に寄ればいいかな?




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六道さんから歩いて数分の場所にある小さなお店へやって来た。


    

       #59105; 京名物 幽霊子育て飴 #59105; の赤い旗が目をひく。



実はこのみなとやさんに用事があって六道さんの前を通った,って訳なんだな。

だって「京都の名物」で「幽霊」の「子育て飴」なんて,こんな不思議なモノを見逃すわけがないだろっ♪


   


飴買い幽霊と言えば昔話が有名だけど,「かえる」は墓場の鬼太郎を思い出す。

すごくブラックユーモアに溢れてて,墓場鬼太郎がゲゲゲの鬼太郎の原型と言われても「う~ん?」って感じだったけど。


鬼太郎話はさておき,この飴買い幽霊の伝説って言うのは各地にある様なんだ。

 

   

             これが幽霊が買った飴・・・?


元になったお話があるからだろうけど,それにしたって不思議だよなぁ~。

幽霊になってまで飴を運んだという不思議な伝説のあるお店が,この六道さんの近くにあるのも何かありそうだな・・・。



言い伝えでは,この飴を食べた赤ちゃんは,後に僧侶となる。

そして,三好三人衆が襲撃したことで有名な本圀寺では若い僧侶たちの指導者となり,桜の名所として知られる立本寺を再興したと伝えられるほどの人物となったそうだ。

その為か,今では出世飴としての一面もあるようだ。



   

                琥珀色の飴。


材料はシンプルに麦芽糖とお砂糖だけ。

甘いけど,べたべたする感じはない。

人によっては薄味に感じるようだ。

でも,「かえる」は棒で練った水飴の味っぽくて,結構濃厚な気がする。

だけど後味は変に残らず,意外とさっぱりする。

 

幽霊が現れたころは水飴だったそうだけど,いつからか固形になったんだって。

形が不揃いなのは,とんかちで割っている為。

昔ながらの手作りっぽい感じが,おどろおどろしいネーミングと相まって,興味を惹かれるなっ#59117;



という訳で,不思議な六道の辻ワールドに興味のあるみんなは,六道さんみなとやさんに是非とも行ってみてくれよなっ♪