さて,お仕事が忙しくて遠出ができない「かえる」は,仕方ないので古い写真を引っ張り出してくることにした。

古いと言っても今年の話だけどな。


   

          という訳で,今日は城南宮さんのお話をするぞっ♪


城南宮

あまり馴染みが無い人もいるかもしれないな。

でも実は,ニュースなどで見たことがあるって人は意外と多いと思う。



御香宮神社→寺田屋→長健寺と回り,最寄り駅の中書島へと歩く。

中書島からバスに乗り,城南宮へとやって来た。

   

    少し迷ったけど,近くのコンビニのお姉さんが教えてくれたので,無事に到着。


平日で且つお花の季節とは少しズレていたせいか,周辺には人気が無かった。

そのせいでバスを降りた後に迷ったんだけど,酷く混んでるよりも空いてる方がいいに決まってる。


鳥居をくぐって暫く歩いていると,意外と参拝客が多い事に気が付いた。

   

              あ,あんな所に宿木が・・・・・・


ふと足元を見たら,扇形の看板が設置されていた。

   

         「宿木と思ひ出ずば木の下の旅寝もいかにさびしからまし」


源氏物語の「宿木(やどりぎ)」で薫が詠んだ歌だな。


宇治十帖は,源氏の子供たちの代のお話だ。

光君の話はともかく,宇治の話は読んだことないや~って人もいるかもしれないので,簡単に説明するぞっ♪

簡単に書くと,宇治の3人の姫と光源氏の息子(薫)と孫息子(匂宮)のお話だな。


薫は姉である大君に求婚をするけれど,亡父の言いつけを頑なに守る大君は,薫に妹の中の君との結婚を薦める。

だけど,薫は中の君と匂宮を引き合わせてしまう。


身分の高い匂宮には当然のように政略結婚が待ち受けていて,中の君は捨て置かれるようになる。

そういった様々な心理的な要因が重なり,大君は寝込むようになる。


結局,薫の看病の甲斐もなく,彼女は亡くなってしまう。


大君にふられてしまった薫が次に狙いを定めたのは,よりによって中の君。

一体どういう神経をしているんだろう・・・

それなら最初から中の君と結婚しておけよ!とツッコミたくなる。

まぁ,奥さんを放置した匂宮が悪いんだけどな。

で,そんな薫の気を逸らせる為に,中の君は異母妹である浮舟の話をしてしまう。


ある時,宇治に立ち寄った薫は宮家に仕えていた弁の尼と会う。

弁の尼から浮舟の話を聞き出す薫が詠んだのがこの歌。


「昔ここに宿った思い出が無いなら,宇治での旅寝もどんなに寂しいものとなっただろう」



前置きがすっごく長くなったけど,そんな話なんだ(うろ覚え)


で,肝心の宿木だけど,ここで詠まれた「宿木」とこの写真の「宿木」は,どうやら別物らしい。

歌に詠まれた「宿木」は,実は「蔦」なんだって。

うん,たったそれだけが言いたかっただけなのに,こんなに行数を使ってしまった。

やっぱり日曜出勤の上に残業した後は,妙なハイテンションなので調子が狂うな(;´・ω・)


  

     よく京都市内をぷらぷらっとしてるけど,改修中の場所って多いよなぁ・・・。


この城南宮だけど,実は,方除(ほうよけ)の神社として知られている。

方除っていうのは,方角上の問題がある時にそれによって起きる厄を除ける祈願をすることを言うんだな。

例えば,悪い方位への引っ越し,旅行,家相に問題がある時。

後々になって病気になったり,人間関係でのトラブルを引き起こしたりするとされているんだな。

信じるか信じないかはだけど。

ともかく,昔の人はこの方除をとっても重要視していたんだ。


   

            広い庭を散策できる。


映画の「陰陽師」を見たことのある人は知ってると思うんだけど。

方違え(かたたがえ)って言葉が出てくるだろ?

凶方位へ行かなければならない貴族達が,一旦,違う方位へ移ってから,再度移動する。

それを陰陽師に占ってもらって,凶を吉へと転じさせるんだ。

こんな具合に,当時の人々にとって「方位」って言うのは,すっごく重要視されてたんだ。


  



そう言えば,東山区の大将軍神社(たいしょうぐん)が倒壊してしまったようだな。

この大将軍という神様は荒ぶる方位神(ほういじん)で,この神様が居る方角は凶とされるんだぞ。

しかも,3年間動かない!

まぁ,この間の台風は関西方面に甚大な被害をもたらしたから仕方ないんだろうけど。

ただ,大将軍さんって去年も被害を受けてたよなぁ・・・・・・。

御神木のモチノキがまた折れたようだけど,モチノキってそんなに弱いのか?


モチノキって余り特徴がない木だけど,それが良いのか日本庭園ではよく使われる。

防風林にもなるし,排気ガスにも比較的強いから垣根に仕立てたりする。

因みに,鳥黐の材料にもなるけど,禁止されてるから使っちゃ駄目だぞ。


   

   

そんな怖い神様だけど,今でも大将軍さんは多くの人に信仰されているんだ。

特に,入学や引っ越しシーズンには多くの人が訪れる。

因みに大将軍神社は,元々は京都の四方の守りとして祀られたそうだけど,今は場所と主祭神が変わっている。

場所の説明は省くけど,素戔嗚尊が祀られているようだ。


   

             竹林の道っぽくて,風情がある。

         

肝心な城南宮の話が殆どできていないことに気が付いた。


   

       神苑の中にある四季折々の花を楽しみながら、ゆっくりと散策する。


   



あ,ちょっとだけ珍しい物を発見。

   

             パッと見た目は普通の松だけど。              


   

             葉が二本でなく,三本セットで生えているんだな。


   

             拡大すると分かり易いかな?


「三子の松」と書かれていたけど,「かえる」の記憶では「三鈷の松」だった気がするんだな。

と言うのも,永観堂さんのお庭に生えているのが「三鈷の松」と呼ばれている。

密教などで使われる金剛杵(こんごうしょ)という法具があるんだけど,その一種で先が3つに割れているものがある。

それに形が似ているから「三鈷の松」と名付けられたらしいんだ。

 

道草ついでに書くと,金剛杵には独鈷杵(どっこしょ),三鈷杵(さんこしょ),五鈷杵(ごこしょ)などがある。

どれもグリップ部分の両端に,槍の穂先に似た鈷が付いている。

両端に1つずつ鈷が付いてるものは,独鈷杵。

3つずつ付いてると三鈷杵で,じゃあ5つなら?・・・・・・そう,五鈷杵だ。

で,この鈷は悟りを開くのに邪魔となる煩悩を打ち払うそうだ。

画像を貼り付けようと思ったけど,手持ちの写真にはいいものがなかったので,代わりに「空海」でググって欲しい。

肖像画の空海が手に持っているのが三鈷杵。

と言うのも,空海の三鈷杵には不思議な伝説が残っているんだ。

ある時,空海は中国の寧波の港から三鈷杵を投げ,仏教を広めるのにふさわしい場所を示して欲しいと祈った。

すると,三鈷杵は空を飛び海を越え,高野山の松の木で見つかったそうだ。

そんな訳で,空海は高野山に道場を開いたんだって。

因みに,高野山にはその時の三鈷杵が宝として残っているし,松の木も生えていて三本葉も混じっているそうだ。



さて,城南宮のお話の筈が滅茶苦茶になってしまったな。

次回は真面目に書くつもりなので,今日は許してほしいんだな。


それと今日はUpが遅れているので,おやつ話が次回へ持ち越しだ。